印象
「ひゃー」
台所で歯を磨いていた7歳が小さく叫んでいる。
「カカまさかこれでお皿とか洗ってる?」
見れば、昨日台所の土間に
7歳のアクリル製の手袋が落ちているのを見つけ、
ざらっと洗い、流しの上においていたのだった。
まさかお皿なんか洗うわけないじゃない…。
「カカならやりかねないと思って。アクリルたわしとかいって」
やりかねない…うーんなかなか正しい言葉使いを
するようになったものだ。
いや感心している場合ではない。
「そうか、それもいいかもね、手にはめてキュッキュッと」
7歳はそんな母には任せられないと思ったのか
自分で絞って洗濯バサミで手袋を吊るしていた。
四六時中私のことを見ている子どもに
「やりかねない」と思われるとは
何というか心外でもある。
山の中で人目を気にすることもなく
暮しているけど
他人はどんなふうに自分のことを見ているのだろうか
そういえばあまりそんなことを考える機会というのが
ないかもしれない。
鏡も見てないし(ってそれは違うか)。
春の陽気に誘われて訪問者が増える。
あらかじめ泊まりや食事のお客さんには
もちろん対応する。宿屋なので。
しかし突然来て
「よくこんなところに来たもんだ」
「子どもはどこの学校に通っているか」
「がんばってくれ」
「はー、ここで民宿やってるの」
挙句に山野草を掘って行く人とか…。
悪意は感じないけど
何でしょっ?て感じ。
見せものではないのだけどね…。
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