春の雪

カタクリの葉っぱが出始めたところで、再びの雪。午前中は晴れてポカポカ春の陽気に、ウラウラと外仕事を始めたら雪がチラチラ降り始めて、一面真っ白。そう簡単に春はやって来ないのは覚悟の上。

 『タイマグラ 

   ノーマルタイヤは

         まだ早い』

 

東京で会社勤めをしていた30年前、結婚して海外に行くという先輩から、電気オーブンを譲り受けた。タイマーと、100度から250度までの温度調整のダイヤル二つだけのシンプルなもの。

私が子どもの頃、母が使っていたものと同じだった。母はこのシンプルオーブンで、シュークリームからパン、野菜、肉や魚のグリルもこなしていたなぁなんて思いながら、私もタイマグラであれこれ焼いてきた。タイマグラに一緒にやって来てからもガンガン働いたオーブン。

ところがここ数年、通電しなかったり、タイマーが効かなくなったり。先月、いよいよ火花が…。お別れの時が来た。失敗もたまにはあったけど、長い間本当によく働いてくれました。ありがとう!

新しいオーブンも、同じようなシンプルオーブン。なかなかの働き者になりそう。新オーブンの癖をつかむべく、パンを焼く日々。いつもの酵母パンに加えて、もらったっきり仕舞い込んでいたメッシュ型も登場した。こちらはイースト発酵。しかしながら、円柱形の容器をキッチリと満たすパンを焼くための計量の、細かいこと。水81g、卵30gとか…。人参は120g。

これくらいかな?ポンと秤に置いた人参2本は、115g。おしい!「まいっか、あと5gは水を足して~」その呟きを聞いた息子が「…守・破・離は、材料を正確に計って、完成させてからでしょ」

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ということで、きちんと(かき集めて)120g。

 

 

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キャロットパン。守った、次は破る

 

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これは1週間前の雪の朝。降って、とけて、また降って。明日の朝が、怖楽しみ…

 

ブログお引越しのお知らせ…

宿のこと、タイマグラの暮らしのこと、家族のこと、などなどを記してきたこのブログ。2005年11月からココログを利用してきましたが、先週のココログ大幅アップデートを機会に卒業です。あ、このタイミング、新元号とかは関係なく…続きはfacebookで。(fbのアカウントがない方は、コメントできないのが少々気がかり。過去のブログやコメント欄は、このままココログに)

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2019年3月21日 (木)

なんだなんだ?春なの!?

何やら暖かくなりそうだってことを、天気予報で知ってはいたけれど、こんなにも「春」とは…。日中は、薪ストーブって何でしたっけ?って暖かさ。ポカポカ陽気に誘われて、スジボソヤマキチョウがヒラヒラ飛んで、ホオジロも賑やかに囀る。もちろんカメムシもゾワゾワと。
そうとなれば、私も。今シーズン初めてタイマグラを走る。冬の間スパイク長靴で凍結道をウォーキングしていたけれど、こんなに坂道だったかなぁ。ヒーハー。調子にのってそのままTシャツで夕方まで平気平気~。(あ、更年期のほてり&のぼせとは違う!はず)
先日島根から戻って来るのに、予定していたのは、出雲→仙台の飛行機。仙台上空で天候不良のために出雲へ戻った。空席のあった出雲→静岡で再チャレンジして、無事静岡。新幹線を乗り継いで盛岡へ。体はタイマグラに確かに帰ってきてるのに、その移動距離にココロがしばし置いてけぼりだった。今日の突然のお祭り騒ぎのような春も、ちょっとそれに似た感覚。
チューリップもツンツン葉っぱが出てきているし、もしやカタクリも!こちらはまだでした。週末には再び寒の戻りもあるようだし、体もココロもゆっくりゆっくり、春を楽しませてもらいましょ。


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松江では田んぼの中をジョギング。平らな道を走るのって良い…


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1週間前の朝はこんな景色


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家の周辺の雪はほとんどなくなって、2月末に開花したフクジュソウも再びキラキラと


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蘇るあの場所シリーズ第一弾「縁側」。お片付けプロジェクト(別名プレ終活…!?)プロジェクトリーダー18歳、まずは縁側に着手。これで雑念なく流れる雲を眺められる

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2019年3月10日 (日)

帰りたい場所

隠岐島へ。
松江からフェリーに揺られて約3時間。6年前、次男が島の高校へ入学した。次男と入れ替わって島で過ごした三男が、高校を卒業した。

タイマグラから飛び出し、日本海に浮かぶ小さな島に出会い、仲間に出会い、ホンキの大人たちに出会った。そして、東北や、タイマグラを俯瞰して、家族や自分を感じてきた。

卒業式の翌日、お世話になった方々を訪ねた。これからも帰りたい場所、会いたい人たちの暮らす場所。

かつて島根から飛び出したくて、ウズウズしていた15歳の私。離れてみれば…。

松江では、これまた、懐かしい人たちとの出会い、再会が続いた。
帰りたい場所があちらこちらに。そしてそんな場所があり、迎えてくれる人のいることに感謝して。
3月11日がまた巡ってくる。



三男が島で暮らし、その背中を見てきた。自分の両腕で生きてきた料理人



ゆっくりゆっくり岩壁を離れるフェリー。見えなくなるまで、大きく手を振った



島根県益田市の「鶏卵饅頭」こそ、ソウルスイーツ⁉︎そして新商品「ますだポテト」も。チーム益田の皆さんの、心地よい益田弁のシャワーを浴びる



数年ぶりに松浦珈琲へ。安定の美味しさ、そして変わらぬ松浦節を聞きに






早朝の茶臼山山頂で待っていたのは、ぐるりパノラマ松江の町、宍道湖、大山




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2019年2月20日 (水)

懐かしい雨

この2、3日の暖かさは春そのもの。今日は日中の明るい曇り空から、夕方には懐かしい雨の音が聞こえてきた。やがて本降りに。明日は雪もとけて、茶色い世界が広がるのか。とはいえ凍結した道路を完全にとかす…ほどじゃないだろうな。

こんな暖冬に、戸惑っている凍みホド。冷凍庫に入れられて、沢でアク抜きしたら、今度はぬるい軒下にぶら下げられて…。大丈夫かなぁ。

今週末の味噌玉の豆踏みは、冷え込みも積雪もない、冬を忘れたタイマグラに皆さんをお迎えする。助かるけど、何だか違う。

先月ドキュメンタリー映画「廻り神楽」を観た。沿岸の人たちの暮らしとともにある黒森神楽。神楽が来れば、春が来る…。子どもの頃から風の人のようだった私には、その土地で暮らし続けてきた人たちの姿に、圧倒された。

先月から宮古、山田、大槌、釜石の沿岸の町で、15作品の映画を上映する「ジモトエイゾウサイ」も半分が終了した。今週末には、宮古会場で澄川カントクの2作品「タイマグラばあちゃん」と「大きな家」が上映される。「大きな家」春の訪れを、このタイミングで観られるシアワセ。
このまま春になってしまうんだろうか。はてさて。







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2019年2月10日 (日)

タイマグラ土産

2月に入って冷え込み益々。…ではあるけれど、1月中の冷え込みは、少々物足りないものだった。
凍みホド(じゃが芋のフリーズドライ)の第一工程『生のじゃが芋を凍らせる』には至らず。結局文明の利器、冷凍ストッカーの力を借りた。もうひと越えの寒さがこない。ストッカーで3日凍らせて、沢水に2週間さらした芋。キチンと白く仕上がるかな?今日引き上げて、軒下に吊るした。

岩手への移住を考える皆さんがタイマグラを訪ねてくれたのは、昨年秋のことだった。その振り返りの集まりが、昨日東京・大手町であった。折しも東京は雪や冷え込みで、タイマグラ土産となってしまった。10月にお会いした皆さんとの再会や出会い。あれから数か月、具体的に岩手へ動き出した方も。岩手loveな皆さんと「タイマグラばあちゃん」の映画でおばあちゃんの姿、そしてカントク澄川さんの、根っこをドッシリ押さえたお話。私はタイマグラでの暮らし、育った子どもたち、あの頃のことや今のこと…。そのお話の続きは、タイマグラで薪ストーブにでもあたりながら…。

大手町の前日は、当時「タイマグラで暮らす!」という危なっかしい(本人はこれっぽっちも自覚なし!)私を送り出してくれた人たちに会った。東京の母のような人たち。私もあの頃の彼女たちの年齢になった。励ましてくれたり、愛に溢れた厳しいメッセージをもらったり。東京の母たちとの時間に泣いたり笑ったり。かつて目白でルームシェアをしていた友達も、この機会にと関西から来て、一緒に目白、池袋界隈を歩いた。心根の真っすぐな友達は、そのまま優しい3人の子のお母さん。あれこれ周囲をハラハラさせていた私は、そのまんまでやはり3人の子の母に。アパートはもうなかったけれど、楽しかったことや嬉しかったこと、悲しかったこと、怖かったことのアレコレを口にしたり、それぞれの胸の内で思ったり。

昨夜、大手町での集まりが終わってから2時間ちょっと、微妙な時間があった。駆け足で次男が惚れている写真家の個展に向った。アイヌ。私の帰るタイマグラと重ねながら、彼らの大地を見た。写真家池田宏さん、その人もいて、ギャラリー併設の小さな小さなバーへ。東京の片隅の何だか居心地のいい空間。そこで更に驚きの出会いが‼︎東京って案外狭い街なのね。こうやっていろんな人に出会って、笑ったり泣いたりしながら、これからも年月を重ねていくのかな。ボンヤリ、ニンマリしながら、北の大地タイマグラへ。東京土産のインフルエンザはなかったみたい。


川から引き上げ、吊るすや凍り始めたその名も凍み芋(ホド)


陽子@国分寺さんとの念願、本郷三丁目界隈プチデート。東京滞在中は一日平均10キロ以上を歩く、歩く、歩く…


冬のお楽しみ、脱衣所ガラス窓の凍結

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2019年1月25日 (金)

よっ、待ってました!

「除雪車が来たのは、いつだったかなぁ…」

昨冬の修行のような雪かきの日々を思い出しながら、雪の少ない今シーズン
「助かる~」
「去年頑張ったご褒美〜?」
呑気なことを言っていた。

…そう、ということは、凍結の冬。
車に乗らないキャンペーンを絶賛実施した年末年始。
県道25号線の約10kmは、オイオイドーシタ!ってくらいの、恐怖の凍結道に。先週歯医者に出かけた時には、車を置いて歩こうか。いや、このまま温泉かなんかで雪が降るまで逃避行か…⁉︎と、頭をよぎるほどの悪路。気を取り直し、手に汗握り、イノチからがら気分で帰宅。時速10キロになると、オットット。場所によっては、時速5キロ走行でもツツーッと車が流れる。

かくして悲願の雪。私は、雪やこんこの犬ように、喜び庭駆け回り〜。
「そこまでやらなくてもいいんじゃない?」
と自分ツッコミを入れながら
「いやいや、この喜びを噛みしめましょ!」
舐めるように雪かき。

今年も味噌豆踏みします。今年は2月23-24日若干名!お待ちしております。ホドホドの冬の日になりますように…。



タイマグラ橋は吹き飛ばされそうな風が止んでから、心ゆくまでじっくり雪かき。もはや趣味の域



除雪車のタイヤ跡にうっとり。嬉しい凸凹をしばし愛でる。ツルッツルのテッカテカの恐怖ったらもう…



今朝の盛岡市薮川は氷点下20度、区界高原は氷点下12度。タイマグラは氷点下10度くらいかなぁ。明日はもうちょいと冷えそうな…。凍み芋日和になるか!冷えますよーに!



豚まんの貴公子(あ、カレーの王子様に続く称号…)今朝「豚まん作る!」宣言。前回を更に上回る生地、ジューシーな肉あん。
その後私、車に乗りエンジンをかけると「1月25日今日は中華まんの日です」旭川が氷点下41度を記録したことに由来しているらしい。寒い時には…ってこと?

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2019年1月14日 (月)

雪中散歩

雪が少ない。そして、穏やかな日が多い。暖かければ暖かいで、不安になってみたり…。
このまま冬が終わるワケ、無いよなぁ。去年の雪との日々を思い出しながら、おっかなびっくり。ま、それならそれで、有難く楽しませてもらいましょう。樹氷がキラキラ誘うように輝く朝、冬のお散歩へ。

音も風もない、静かで明るい道を進む。

・・・・・・・・・・・・・・
2019年 『早池峰の自然を考える会』の観察会スケジュールをお知らせします。

👉🔴

1回目は1月20日(日)宮古市で探鳥会。暖冬とはいえ、防寒対策は万全に!



早池峰と薬師岳もクッキリ。次は小田越?荒川高原もいいなぁ(なーんてね)


暖かい!(ある時は甘酒の温度を計り、またある時はお散歩の気温を…)


冬の棘


動物たちが歩く車の轍。無駄のない野生の動きに倣って、同じ轍を歩く

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2019年1月 3日 (木)

新年。

明けましておめでとうございます。
穏やかな年末年始、ただただありがたい。
「この後の冷え込み&雪かきに備えときなさいよ」と天からの声が聞こえるようで、ドキドキしながらも、ダラダラとお正月気分を満喫。

息子たちに助けられながら、お節や大掃除、薪割りもはかどった。

カレーの王子さま(23歳)の妥協を、許さないカレーに舌鼓を打ち、
お片付けアドバイザー(21歳)に、叱咤激励されながら⁉︎の大掃除は、新年をまたいだ。
ムードメーカー(18歳)は、今回帰省せず、島根と沖縄で過ごす。温度差を体感していることだろう。

年末には寒さもへっちゃらな、子ども連れファミリーが続いた。いずれも田舎暮らし+ゲストハウスを考えるご夫婦。ここ数年アチラコチラでリノベーションした素敵な宿の開業が続く。日常をしばし離れる旅。そして帰ってきた家での日常が、豊かに…。時代が追いついてきたの⁉︎(笑)

2019年最初のお客さんは、仙台チーバさんから。本日スタート!今年もどんな新しい出会い、嬉しい再会が用意されているのか。リノベーションはしていない、タイマグラの山のお宿でお待ちしています。


お節も凍らず、程よい室温。襖を開ければ隣の部屋は冷凍庫…


カオスな本棚が、本棚としての機能を取り戻す


薪ストーブに釘付け!永久保存版の絵本を作るフーカちゃんに、植物、石、大好きコウタくん


秋はクルミも豊作。年末には良い餅がつけた。岩手のお正月に欠かせないクルミ餅で新年を無事迎えられることに感謝



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2018年12月14日 (金)

晴レルヤ冷エルヤ

『雪かき始めました』となっているタイマグラ。今日は軽い雪。郵便屋さんの車が来る前に終わらせるのを、ささやかな目標に、エッサエッサ。県道までの道も軽やかに(今のところは)。

雪降りもなんのその、それはシカも同じらしく…。雪かきをした道に残る足跡。途中から道のついてない雪原に入って行く足跡や、何か見つけたのか行きつ戻りつする足跡やら。シカだって色々考えて…いるのかなぁ。

なんちゃってな網で阻止してきた畑も、先日“真”正面突破された。嗚呼。ニンニクはお口に合わないのか足跡だけ。えぐみの強いルバーブ地上部ゼロの食べ尽くしに始まり、カブの取り残しはペロリ。毒草のクリスマスローズ、デルフォニュームも、ムシャムシャペロリ…。そして全てはスッポリ雪に包まれた。

寒さと雪と。そうそう、冬はこんな感じ。長い冬の始まりに、大きく深呼吸をして、そして、ちょっぴりほっとしている。冬の日、一喜一憂のコーヒー焙煎も再び始まった。

明日の朝は盛岡-9度、宮古-5の予報、さぁ、タイマグラは?ちょっくらふたご座流星群見てこよ。

年末恒例のデクノボーライブ、来週22日に迫ってまいりました!今年も床抜けませんように!ナゴミさんの歌が、しばし冷え込みを忘れさせてくれる夜。寒さをモノともしないチャレンジャーの皆さん!お待ちしております。


この後、この道を果てしなく感じる雪の日が何回あるかなぁ。



デクノボー、今年もガンチャンブルースお願いねっ。




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2018年12月 3日 (月)

日常に。

暖かい秋にうつつを抜かしていたら、そうは問屋が卸しません。
きちんと冬はやって来て、山の木々は雪の衣装をまとった。

…と思えば、昨日今日はまたまた雪を溶かすような好天。越冬態勢に入っていたカメムシたちは、再びモソモソ動き出し、私もゴソゴソしたくなる。

大阪からのヨシナガさんは、10年ぶり?冬の始まりの日を一緒にゆっくりと過ごす。ヨシナガさんから沢山の刺激をもらって、バス停にお見送り。帰ってきたら…。大・失・敗!あと何年こんな暮らしができるんだか…。珍しくしばし凹んでみる。

明日いらっしゃるモガミさんは、5、6年ぶりになるのかなぁ。気を引き締めて、お迎えいたしましょう。キリリッ!

私が初めてタイマグラへ来たのは、23歳の秋だった。その時一緒に来た友だちのひと言が、今のこの暮らしに繋がったのを、コトあるごとに思い出す。

二泊三日を帰りの新幹線で、振り返る。楽しかったアレコレ。美味しかったアレコレ。
その時、友人は「タイマグラで楽しい時間を過ごしてリフレッシュ!また東京での日々を頑張れる…」と言った。その時「!」と一つの思いが芽生えた。私はこの暮らしを日常にしたい。

その友人から久しぶりに連絡があった。今も東京で頑張っている友人に、会いたくなった。あれからそれぞれの27年を、過ごして来たんだねぇ。

明日は今日よりも更に気温が高くなるらしい。12月…。


冬の顔に会いに。(クズの冬芽)


とけるかなぁ?と思ったけど、日陰の雪は、そのまんま。




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